Nプロジェクトの小林です。
これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3809件の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。
今回は2006年3月30日、4月3日に投稿された、選択美術の授業とそれに取り組んだ生徒の変化についての記事に注目。
昨日の記事でも触れましたが、平成15年(平成14年も)の「選択美術」の授業は、現役で活躍するアーティストの表現を目の前で見て、感じて、その上で自由に自分の作品制作に取り組むという点が特徴的でした。
これらの記事を読んでいると、当時の選択美術の状況は、とがび後期のそれに似ている部分があるように感じました。
初期のとがび(2004〜2006年くらいまで)では、アーティストと生徒が「共同制作」をして、それを展示・解説するというプロセスでした。それから次第に変化をしていき(主体が授業を履修した生徒から美術部に変わっていったこともありますが)、後期のとがび(2012年前後〜?)では、アーティストの力に頼らず、自分たちの手で最初から最後まで形にしていくというプロセスに移り変わっていったのです。
もちろん、後期とがびにはそれまでの蓄積(とがびに触れた下級生が進級して、とがびの担い手になっていく)があったということも大きなポイントだと思います。
ただ、こうした選択美術にしても、後期とがびにしても、生徒が「先におもしろがっている人がいる」ということを実感したことが、自分のオリジナリティを考えるきっかけ、ひいては制作の「おもしろさ」を起動するキーになっていたのかもしれません。
4月3日の記事にある研究会の先生方は、理屈ではない「おもしろかったから」という理由に肩透かしをくらったかもしれませんが……(笑
ブログをたどっていくうちに、こうした「美術・表現・制作のおもしろさ」を起動するきっかけについての考察も見つかっていくと思うので、それらの記事にも注目していきたいと思います。