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ブログを読み直す - 004「美術の授業だけじゃ『とがび』は生まれなかった?」

Nプロジェクトの小林です。

これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。
その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3700件以上の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。

今回は2006年5月6日と5月16日に投稿された「とがび2006」が始動した頃の記事に注目。

「とがび」がはじまって3年目の様子です。
この頃までは「総合的な学習の時間」を使い、クラスを横断して集まった生徒によって「とがび」は運営されていました。
今となっては批判にさらされることの多い「総合的な学習の時間」の授業ですが、あれがなくては「とがび」はなかったとも言えるかもしれません。

2006年の特徴としては、「戸倉上山田」という地域性を全体のテーマに設定し、それを様々な手法(それぞれの作家さんの得意なジャンル)を使って表現しようとしました。
思い返せば、地域の大人や風景、歴史、文化を知るきっかけになれば、地域に中学生の存在を知らせることができれば……そんな狙いが隠れていたのかもしれません。

「夏祭り」「温泉」「千曲川」「五里が峰」「キティパーク」(巨大な天狗像のある公園)など、戸倉上山田らしいテーマが、どんな作品へと形になっていくのか……果たして、この目論見はどんな形に実を結ぶのか。

少しずつ、みなさんと一緒に見ていきたいと思います。

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ブログを読み直す - 003「『Nスパイラル』の奥に見えること」

Nプロジェクトの小林です。

これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。
その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3700件以上の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。

今回は2006年4月26日~5月10日に投稿された、普段の美術の授業を紹介する記事に注目。
20060426〜/1学年必修授業「ルネサンス2006~最後の晩餐」

これまで、ブログを追っていくなかで「とがびは普段の美術の授業があってこそ」ということが少しずつ見えてきました。

戸上中で行われていた美術の授業は大きく分けて2つ。
1)必修授業
2)選択授業

「選択授業」は、2年生以降に希望した生徒のみが履修する授業で、必修授業に比べるとより発展的な内容、また「暗闇美術館」や「光の美術館」など学外に飛び出したりする活動が特徴的でした。



一方の「必修授業」は、基本的に全生徒が履修する授業で、「Nスパイラル」という中平先生が独自に展開していたカリキュラムが展開されていました。

(残念ながら、4月28日の記事にある「Nスパイラルの要旨」はリンク切れになってしまっているので、後日、改めてこちらでデータをアップする予定です。)


「Nスパイラル」について、中平先生の説明を引用するとこのようになります。

「Nスパイラル」とは、3年間の美術の授業カリキュラムの名称です。大題材を3つの小題材「遊び的題材」「技能習得題材」「テーマから自由に発想するまとめ題材」で構成します。また、題材の始めと終わりには必ず鑑賞(名作鑑賞と生徒作品の相互鑑賞)を取り入れるという特徴を持っています。

これをざっくりと解釈すると、こんな段階を踏んでいるように感じました。


遊び的題材:美術そのものや、表現することについて身近に感じるきっかけや視点を見つける。

技能習得題材:その作品を題材にしながら、表現をするための方法・手段を学ぶ。

テーマから自由に発想するまとめ題材:手に入れた視点・方法を使いながら自分の表現をする。


必修授業ということは、当然のことながら「美術が好き」という生徒だけが受けるものではありません。(当初はぼくもその一人でしたが……!)割合で言えば、美術について「ふつう~苦手」と感じている持った生徒の方が多くなってくるでしょう。

「したいことがあるけれど、どう形にしていいかわからない」
「ある程度の形にはできる技術はあるけど、自分がなにを表現したいかわからない」
「したいこともないし、どう形にしていいかもわからない」

必ずしも美術を好きではない生徒にいかに美術を身近に感じてもらうか。
「Nスパイラル」には、中平先生の美術教育についての意識が垣間見えます。

それでは、実際の授業ではどんな内容を取り扱ってきたのか。
次はもう少し具体的に見ていきたいと思います。

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ブログを読み直す - 002「とがびの構造を見つけだす」

Nプロジェクトの小林です。


これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3809件の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。


 今回は2006年3月30日、4月3日に投稿された、選択美術の授業とそれに取り組んだ生徒の変化についての記事に注目。


昨日の記事でも触れましたが、平成15年(平成14年も)の「選択美術」の授業は、現役で活躍するアーティストの表現を目の前で見て、感じて、その上で自由に自分の作品制作に取り組むという点が特徴的でした。



これらの記事を読んでいると、当時の選択美術の状況は、とがび後期のそれに似ている部分があるように感じました。


初期のとがび(2004〜2006年くらいまで)では、アーティストと生徒が「共同制作」をして、それを展示・解説するというプロセスでした。それから次第に変化をしていき(主体が授業を履修した生徒から美術部に変わっていったこともありますが)、後期のとがび(2012年前後〜?)では、アーティストの力に頼らず、自分たちの手で最初から最後まで形にしていくというプロセスに移り変わっていったのです。



もちろん、後期とがびにはそれまでの蓄積(とがびに触れた下級生が進級して、とがびの担い手になっていく)があったということも大きなポイントだと思います。


ただ、こうした選択美術にしても、後期とがびにしても、生徒が「先におもしろがっている人がいる」ということを実感したことが、自分のオリジナリティを考えるきっかけ、ひいては制作の「おもしろさ」を起動するキーになっていたのかもしれません。


4月3日の記事にある研究会の先生方は、理屈ではない「おもしろかったから」という理由に肩透かしをくらったかもしれませんが……(笑


ブログをたどっていくうちに、こうした「美術・表現・制作のおもしろさ」を起動するきっかけについての考察も見つかっていくと思うので、それらの記事にも注目していきたいと思います。

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ブログを読み直す- 001「『とがび』の前身・光の美術館」

Nプロジェクトの小林です。

 これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3809件の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。

 今回は2006年3月22日~27日に投稿された「光の美術館」についての記事に注目。


 「光の美術館」とは、長野市の「もんぜんぷら座」というコミュニティスペースで行った展覧会のタイトルです。平成15年(2003年)に「選択美術」を履修した生徒の作品が展示されました。

 「とがび」の前身ともいえるような授業で、アーティストを学校に招き、その表現を鑑賞した上で自分の作品を制作・展示、それを一般の方に見てもらうという内容だったようです。

 今の自分から見ても楽しそうだなぁと思うのは「入力」と「出力」のどちらにも普段は接しない刺激があるからのように思いました。



まず、アーティストのパフォーマンスによって、言外に「これも『表現』の一つなんだよ、好きなことやっちゃえよ」というメッセージが伝えられる。(その手法が難解なものでも、分かりやすいものでも)



そうして、きっと紆余曲折があった上で、なんとか完成させた自分の作品を展示してみると、同級生や親、先生とは違う大人たちからさまざまな反応をもらえる。

 生徒にとっても、中平先生本人にとっても、この「光の美術館」から受けた影響は大きかったようで、そのことについてブログ内では「『とがび』の芽」と表現されています。

 また当時を思い出すと「選択美術」の授業は生徒個人が素材やメディアを自由に選んで創作ができ、また学校外での展示を最終目的にしていたように思います。ただ、そうした派手な動きの基盤になっているのは、普段の「美術」の授業。「Nスパイラル」という中平先生独自のカリキュラムがあってこそであったことは、なかなか注目されていない部分でもあります。

 「Nスパイラル」については、その後のブログで語られているので、次の機会に改めたいと思います。
それでは!

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ブログを読み直す - 000「今だからわかること」

小林です。
これまでのNプロジェクトの活動記録を整理して、公開していく「Nアーカイブ」。
その取り組みの一つとして、約10年にわたる活動を3809件の記事でつづってきた旧ブログのバックアップを進めています。


このブログは、普段の美術の授業で制作された生徒作品や「とがび」や「さくらび」の活動風景の紹介、当時の生徒による制作レポート、中平先生の美術教育についての考えなどが記され、Nプロジェクトを語る上ではかけがえのないメディアとなっています。
バックアップのかたわらに記事の内容を読み返してみると、当時の時間の流れの中では感じ取れなかったことに少しずつ触れられているような気がします。
次回から、過去の記事の紹介を交えながら、これまでの活動の軌跡をたどってみたいと思います。

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